平日19時、帰宅後の地獄から脱却する唯一の方法
保育園からの帰り道、息子を抱っこ紐に入れて歩く15分間。この時間、私はいつも憂鬱でした。
なぜなら、帰宅後に待っているのは「離乳食作り」だからです。お粥を温めて、野菜を茹でて、裏ごしして、冷まして、食べさせて……。その間、息子は空腹で泣き叫び、妻は別の家事に追われている。
気づけば20時を過ぎ、息子はぐずり、妻は疲労困憊、私は「なんでこんなに効率悪いんだ」とイライラする。
これが我が家の平日でした。
「このままじゃダメだ」
そう思った私は、建設業界で培ったプロジェクトマネジメントの知識を、離乳食作りに応用することにしました。
「平日の作業時間をゼロにする」という明確なゴールを設定し、逆算して週末のワークフローを設計する。まるで現場の工程表を組むように、離乳食作りをシステム化したんです。
結果、週末の3時間を「製造工程」として投資することで、平日の離乳食準備は解凍2分で完了するようになりました。
この変化は想像以上に大きかった。
平日の帰宅後、息子を待たせることなく、すぐに温かい離乳食を出せる。妻も夕食準備に集中できる。私自身も、息子と遊ぶ時間、妻とゆっくり話す時間が生まれた。家族全員の精神的余裕が、明らかに増えたんです。
この記事では、私が1年以上実践してきた「週末3時間の作り置きシステム」を、完全に公開します。
建設現場の工程管理のように、離乳食作りを「タスク分解」し、「並行処理」し、「品質管理」する。パパが作り置きを完遂することで、ママの負担は激減し、家庭の平和が訪れます。
料理が得意である必要はありません。必要なのは、「システム思考」だけです。
「3時間」を解剖する:パパのための精密タイムスケジュール
週末の3時間。これを漠然と「離乳食作り」と捉えると、途方もなく長く感じます。で
も、タスクを分解して並行処理すれば、驚くほど効率的に進められます。
私が実際に運用している、日曜午前の作り置きタイムスケジュールを公開します。これは建設現場の「工程表」と同じで、各工程の開始時刻、終了時刻、使用リソース(コンロ、レンジ、ブレンダー等)を明確に定義しています。
フェーズ1:調達と洗浄(00:00〜00:30)
9:00 出発
まず、近所のスーパーに向かいます。我が家の場合、息子をベビーカーに乗せて、家族3人で買い物。これ自体が週末の小さなイベントです。
買い物リスト(固定化されたテンプレート):
- 炭水化物:米2合分(お粥用)
- 緑黄色野菜:にんじん2本、ほうれん草1束、かぼちゃ1/4個
- 淡色野菜:玉ねぎ1個、大根1/4本、キャベツ1/4玉
- タンパク質:鶏ささみ200g、白身魚(タラまたはカレイ)2切れ
- その他:バナナ2本、りんご1個(果物ペースト用)
このリストは固定化されています。毎週同じものを買うことで、買い物時間を短縮できるし、栄養バランスも自動的に整います。「今週は何を買おう?」と悩む時間がゼロになるんです。
9:30 帰宅・洗浄開始
帰宅したら、すぐに食材を流水で洗います。この時点で、コンロに水を張った鍋を2つセット。沸騰させながら洗浄作業を進めることで、時間をロスしません。
野菜の皮をむく必要はありません。茹でた後、ブレンダーで粉砕するため、皮ごと調理します。これだけで10分の時短になります。
タイムマネジメントのコツ:
この30分は、妻に息子を見てもらいます。パパが買い物と洗浄に集中している間、ママは子どもと遊ぶ。役割分担を明確にすることで、お互いがストレスなく過ごせます。
フェーズ2:同時並行加熱(00:30〜01:30)
ここが最も重要なフェーズです。コンロ、電子レンジ、炊飯器という3つのリソースをフル稼働させ、すべての食材を同時に加熱します。
9:30 炊飯器スタート
米2合に対して、水を10倍(2リットル)入れて炊飯開始。お粥モードがあれば使いますが、なければ通常炊飯でOK。炊飯器は勝手にやってくれるので、これ以降はノータッチです。
9:35 コンロ1:根菜類の茹で
にんじん、大根、かぼちゃを大きめにカット(後でブレンダーで粉砕するので雑でOK)し、沸騰した鍋に投入。弱火で20分茹でます。竹串がスッと通るまで柔らかくするのがポイント。
9:40 コンロ2:葉物野菜とタンパク質の茹で
もう一つの鍋で、ほうれん草、キャベツ、玉ねぎを茹でます。葉物は5分程度で十分。玉ねぎも同様です。
タンパク質(鶏ささみ、白身魚)も、この鍋で一緒に茹でます。鶏ささみは10分、白身魚は8分程度。火が通ったら取り出します。
9:50 電子レンジ:かぼちゃとバナナ
かぼちゃは茹でるより、レンジの方が甘みが増します。ラップに包んで600Wで5分。バナナとりんごも、皮をむいてレンジで2分加熱すると、甘みが増して消化しやすくなります。
10:00 加熱完了チェック
すべての食材が加熱完了。この時点で、キッチンには茹で上がった野菜、タンパク質、炊き上がったお粥が並んでいます。まるで製造ラインの中間工程のような光景です。
10:00〜10:30 粗熱取り
ここで30分の待機時間が発生しますが、これは必須です。熱いままブレンダーにかけると危険ですし、熱いまま冷凍すると冷凍庫内の温度が上がり、他の食品にも悪影響を与えます。
この30分は、息子と遊んだり、コーヒーを飲んだり、次の工程の準備をしたりします。完全な休憩時間ではなく、「待機時間を有効活用する」という発想が重要です。
フェーズ3:粉砕と調整(01:30〜02:30)
粗熱が取れたら、いよいよブレンダーの出番です。ここからは、まるでバーテンダーのように、食材を組み合わせてペーストを作っていきます。
10:30 お粥のペースト化
炊飯器のお粥を、ブレンダーで10秒撹拌。離乳食初期〜中期なら、水を足してさらに滑らかに。後期なら、粒を残す程度に軽めに撹拌。
これを大きめのタッパーに移します。1週間分(7食分×100g=700g)を一つのタッパーに入れておきます。
10:40 野菜ミックスペーストの作成
ここが私のシステムの核心です。野菜を「1種類ずつ」ペーストにするのではなく、「ミックスペースト」として作ります。
にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、玉ねぎを、ブレンダーに一緒に投入。水を少量加えて、なめらかなペーストに。色は少し茶色っぽくなりますが、栄養は完璧です。
このミックスペーストを、小分けトレイ(後述)に流し込みます。1マス約30gなので、1食分の野菜量にちょうど良いです。
11:00 タンパク質ペーストの作成
鶏ささみと白身魚を、それぞれブレンダーでペースト化。タンパク質は、野菜ほど水を加えなくてOK。むしろ、パサつきを防ぐために、茹で汁を少量加える程度にします。
これも小分けトレイに流し込みます。鶏ささみと白身魚は分けて冷凍し、日替わりで使います。
11:20 果物ペーストの作成
バナナとりんごを、ブレンダーで軽く撹拌。果物は繊維が残る程度が、後期の離乳食には適しています。これはデザート用なので、量は少なめ(1マス20g程度)で冷凍。
11:30 テクスチャー調整
最後に、月齢に合わせたテクスチャー調整を行います。
- 離乳食初期(5〜6ヶ月):ヨーグルト状のなめらかさ
- 離乳食中期(7〜8ヶ月):舌で潰せる豆腐程度の柔らかさ
- 離乳食後期(9〜11ヶ月):歯茎で潰せるバナナ程度の柔らかさ
我が家の息子は現在10ヶ月なので、後期のテクスチャー。ブレンダーの撹拌時間を調整して、適度に粒感を残します。
タイムマネジメントのコツ:
ブレンダーは、ブラウン マルチクイックのMQ7以上(※内部リンク)を使用しています。400W以上のパワーがあると、撹拌時間が大幅に短縮されます。以前使っていた安価なブレンダーだと、この工程に1時間半かかっていましたが、MQ7なら1時間で完了します。
フェーズ4:小分けとパッキング(02:30〜03:00)
最後の仕上げです。ペースト状になった食材を、小分けトレイに流し込み、ラベリングして冷凍庫へ。この工程が、平日の「解凍2分」を実現する鍵になります。
11:30 小分けトレイへの充填
我が家では、リッチェルの「わけわけフリージング ブロックトレイ」を愛用しています。このトレイの優秀な点は、以下の3つです。
一つ目は、サイズの規格化。25ml、50ml、100mlの3サイズがあり、離乳食の月齢に合わせて使い分けられます。我が家は50mlトレイをメインに使用しています。
二つ目は、スタッキング性。同じサイズのトレイを積み重ねられるため、冷凍庫内のスペースを有効活用できます。これは都心のマンション住まいには本当に重要です。
三つ目は、取り出しやすさ。底を押すだけで、冷凍キューブがポンと取り出せます。100円ショップの製氷皿だと、固くて取り出せず、結局溶かす羽目になることも多いんです。
11:45 ラベリング
ここが意外と重要です。小分けトレイに、マスキングテープを貼り、油性ペンで以下の情報を記入します。
- 内容物(例:野菜ミックス、鶏ささみ、白身魚)
- 作成日(例:2026/2/2)
- 月齢対応(例:後期)
このラベリングがあると、平日の夜、疲れた頭でも「どれを解凍すればいいか」が一目瞭然です。妻が対応する時も、迷うことなく適切なキューブを選べます。
12:00 冷凍庫への最適配置
最後に、冷凍庫への配置を最適化します。我が家の冷凍庫は、以下のようにゾーニングしています。
- 最上段:お粥(大きめのタッパー)
- 中段左:野菜ミックス(小分けトレイ3つスタッキング)
- 中段右:タンパク質(鶏ささみと白身魚、トレイ2つずつ)
- 下段:果物ペースト(トレイ1つ)
この配置を固定化することで、「あれどこだっけ?」と探す時間がゼロになります。まるで工場の部品倉庫のように、すべてに定位置があるんです。
12:00 作業完了
これで週末3時間の作り置きが完了です。冷凍庫には、平日5日分(朝夕2回×5日=10食分)の離乳食が整然と並んでいます。
この光景を見るたびに、「これで平日は安心だ」という達成感があります。まるで、建設現場で資材搬入が完了した時のような、「準備万端」の感覚です。
戦略的メニュー選定:汎用性の高い「ベース食材」を狙え
ここまで読んで、「でも、毎日同じメニューだと子どもが飽きるんじゃない?」と思った方もいるかもしれません。
安心してください。この作り置きシステムの優れている点は、「パーツを組み合わせることで、毎日違うメニューになる」ことです。
レゴブロック理論:3つのパーツで無限の組み合わせ
離乳食は、大きく3つの栄養素で構成されています。
- 炭水化物(エネルギー源)
- ビタミン・ミネラル(野菜・果物)
- タンパク質(体を作る)
この3つを、レゴブロックのように組み合わせることで、毎日違うメニューが作れます。
ベース食材の考え方:
- 炭水化物:お粥(1週間分を一度に作る)
- ビタミン:野菜ミックスペースト(複数の野菜を混ぜたもの)
- タンパク質:鶏ささみペーストと白身魚ペースト(日替わりで使う)
この3つのパーツを用意しておけば、あとは組み合わせるだけです。
1週間のメニュー例(実際の我が家):
- 月曜朝:お粥100g + 野菜ミックス30g + 鶏ささみ20g = 鶏粥
- 月曜夕:お粥100g + 野菜ミックス30g + 白身魚20g = 魚粥
- 火曜朝:お粥100g + 野菜ミックス30g + 鶏ささみ20g + バナナ20g = 鶏バナナ粥
- 火曜夕:お粥100g + 野菜ミックス30g + 白身魚20g + りんご20g = 魚りんご粥
- 水曜朝:お粥100g + 野菜ミックス30g + 鶏ささみ20g = 鶏粥
- 水曜夕:お粥100g + 野菜ミックス30g + 白身魚20g = 魚粥
- (以下、木曜〜金曜も同様のパターン)
こうして見ると、「タンパク質を変える」「果物を追加する」という2つの変数だけで、毎日違うメニューになっていることがわかります。
子どもにとっては、味の違いが明確にあり、飽きることはありません。実際、我が家の息子は毎食完食してくれます。
マトリックス図で考える組み合わせ論理
もう少し論理的に考えてみましょう。3つのパーツ × 複数の選択肢で、メニューの組み合わせは指数関数的に増えていきます。
炭水化物の選択肢:
- お粥(白米)
- お粥(玄米) ※栄養価を上げたい時
- うどん(細かく刻んだもの)
野菜の選択肢:
- 野菜ミックスA(にんじん+かぼちゃ+ほうれん草)
- 野菜ミックスB(大根+キャベツ+玉ねぎ)
- 単品野菜(トマト、ブロッコリーなど)
タンパク質の選択肢:
- 鶏ささみ
- 白身魚
- 豆腐
- きな粉(たまに変化をつけたい時)
果物の選択肢:
- バナナ
- りんご
- いちご(季節によって)
この組み合わせを考えると、3 × 3 × 4 × 4 = 144通りのメニューが作れます。実際には、すべてを試す必要はありませんが、「組み合わせの自由度」があることが重要です。
「今週は野菜ミックスAに飽きてきたから、来週はミックスBにしよう」「そろそろ豆腐も追加してみようか」こうした柔軟な調整ができるのが、このシステムの強みです。
栄養バランスは自動的に整う
さらに重要なのは、この組み合わせ方式なら、栄養バランスが自動的に整うことです。
毎食、炭水化物 + 野菜 + タンパク質が揃っているため、不足する栄養素がありません。厚生労働省が推奨する離乳食の栄養バランスも、自然とクリアできます。
これは、「今日は何を作ろう?」と毎回考える従来の方式とは、効率が全く違います。メニューを考える時間がゼロになり、買い物も固定化され、調理も機械的に進められる。まさに「システム化」の真髄です。
離乳食以外の時短術については、都心共働きパパが導入すべき家事自動化・三種の神器(※内部リンク)でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
必須装備(ハードウェア)の導入:タイパを追求するパパの道具
建設現場では、「良い道具を使うことが、工事の品質と効率を決める」と言われます。離乳食作りも全く同じです。適切な道具を揃えることで、作業時間は劇的に短縮されます。
ハンドブレンダー:手作業の「裏ごし」を完全に廃止
最も重要な道具が、ハンドブレンダーです。これがないと、この3時間システムは成立しません。
我が家では、ブラウン マルチクイック MQ7を使用しています。選定理由は以下の3つです。
理由1:圧倒的な撹拌スピード
400Wのパワーにより、固い根菜も10秒でなめらかなペーストに。以前使っていた200Wのブレンダーだと、同じ作業に30秒以上かかっていました。この差が、1時間の作り置き時間に積み重なると、30分以上の時短効果になります。
理由2:スマートスピード機能
握り具合で回転数を無段階調整できるため、月齢に合わせたテクスチャー調整が直感的にできます。初期のとろとろペーストから、後期の粗めマッシュまで、ボタン操作なしで対応可能。片手で赤ちゃんを抱っこしながらでも操作できるのは、本当に助かります。
理由3:食洗機対応
毎週使う道具なので、洗浄の手間は最小限にしたい。MQ7は主要パーツが食洗機対応なので、使用後は食洗機に放り込むだけ。手洗いの時間がゼロになります。
他のモデルとの詳しい比較は、ブラウン・マルチクイック徹底比較記事をご覧ください。
保存容器:規格統一によるスタッキング効率
次に重要なのが、保存容器です。ここで重要なのは、「見た目」や「かわいさ」ではなく、「規格の統一」と「スタッキング性」です。
推奨:リッチェル わけわけフリージング ブロックトレイ
このトレイを選ぶ理由は、前述の通り、サイズの規格化、スタッキング性、取り出しやすさの3点です。特にスタッキング性は、都心のマンションに住む我が家にとって死活問題です。冷凍庫のスペースは限られているため、同じサイズのトレイを積み重ねられることは、大きなメリットになります。
我が家では、50mlトレイを12個保有しています。これで、野菜ミックス4個、タンパク質4個、果物2個、予備2個という配分です。トレイ1個あたり約500円なので、12個で6,000円。この投資で、1年以上使えることを考えれば、十分にコストパフォーマンスは高いです。
NG:100円ショップの製氷皿
以前、コスト削減のために100円ショップの製氷皿を使っていましたが、これは大失敗でした。理由は3つです。
一つ目は、サイズがバラバラ。製氷皿によって、1マスの容量が15mlだったり30mlだったりして、統一感がありません。これでは、「1食分の野菜量」を正確に管理できません。
二つ目は、取り出しにくい。プラスチックが硬く、底を押してもキューブが出てきません。結局、溶かして取り出すことになり、時間のロスになります。
三つ目は、耐久性の低さ。数回使うと、プラスチックが割れたり、変形したりします。結局、買い直すことになり、トータルコストはリッチェルを買った方が安くつきます。
「安物買いの銭失い」とは、まさにこのことです。
マスキングテープ & 油性ペン:視認性の高いラベリング
最後に、地味ですが非常に重要なのが、ラベリング用品です。
マスキングテープは、ニチバンの「マスキングテープ 白 幅15mm」を使用しています。白色なので、油性ペンで書いた文字がはっきり見えます。また、冷凍庫内でも剥がれにくい粘着力があります。
油性ペンは、ゼブラの「マッキー 極細」を使用。文字が滲まず、冷凍庫内の結露でも消えません。
このラベリングがあることで、平日の夜、疲れた頭でも「どれを解凍すればいいか」が一目瞭然になります。妻が対応する時も、迷うことなく適切なキューブを選べます。
たかがラベリング、されどラベリング。この小さな工夫が、平日の「迷い時間」をゼロにし、ストレスを激減させます。
リスク管理:衛生面と保存の科学
離乳食は、赤ちゃんの口に入るものです。味や栄養だけでなく、「衛生面」「安全性」を最優先に考える必要があります。ここでは、作り置きにおけるリスク管理について、科学的根拠に基づいて解説します。
冷却効率:菌の繁殖を防ぐ「粗熱取り」の科学
食中毒菌は、温度20〜50℃の範囲で最も繁殖します。特に危険なのが、30〜40℃の温度帯。この温度帯に長時間置くと、菌が爆発的に増殖します。
そのため、加熱調理した食材は、できるだけ早く20℃以下に冷却する必要があります。これが「粗熱を取る」という作業の科学的根拠です。
我が家の冷却方法:
一つ目は、広口の容器に移すこと。茹でた野菜を、鍋の中に入れっぱなしにすると、中心部の温度がなかなか下がりません。広口のボウルやバットに薄く広げることで、表面積が増え、冷却速度が上がります。
二つ目は、保冷剤の活用。キッチンカウンターに保冷剤を敷き、その上にバットを置きます。これだけで、冷却速度が約2倍になります。
三つ目は、扇風機。扇風機で風を当てることで、さらに冷却速度が上がります。夏場は特に有効です。
これらの方法を組み合わせることで、加熱完了から20℃以下まで、約20〜30分で冷却できます。これは、食中毒予防の観点から見て、十分に安全な時間です。
NG行為:熱いまま冷凍庫へ
絶対にやってはいけないのが、「熱いまま冷凍庫に入れる」ことです。
これをやると、以下の問題が発生します。
一つ目は、冷凍庫内の温度上昇。熱いものを入れると、冷凍庫内の温度が一時的に上がり、他の冷凍食品が溶けかけます。これは、他の食品の品質劣化や、食中毒リスクにつながります。
二つ目は、結露の発生。熱いものを冷凍すると、容器の表面に大量の結露が発生します。この結露が氷になり、容器が冷凍庫内でくっついてしまい、取り出せなくなります。
三つ目は、冷凍ムラ。熱いまま冷凍すると、外側だけ凍って、内部はなかなか凍りません。これは、衛生面でも品質面でも問題です。
粗熱取りは面倒に感じるかもしれませんが、これは「安全」のために必須の工程です。決して省略しないでください。
冷凍焼け対策:密閉性の確保と在庫回転率
次に、冷凍保存における「冷凍焼け」のリスクです。
冷凍焼けとは、冷凍中に食品の水分が蒸発し、食品が乾燥・変色・風味劣化する現象です。これは、密閉性が不十分な容器を使うことで発生します。
対策1:密閉性の高い容器を使う
リッチェルのわけわけフリージングは、専用の蓋がついており、密閉性が高い設計になっています。100円ショップの製氷皿だと、蓋がなかったり、蓋が緩かったりするため、冷凍焼けのリスクが高くなります。
対策2:ラップで二重保護
さらに安全を期すなら、小分けトレイに蓋をした上から、さらにラップで全体を覆います。これで、冷凍庫内の乾燥した空気から、完全に食材を守れます。
対策3:1週間で使い切る「在庫回転率」の意識
最も重要なのが、「長期保存しない」ことです。
一般的に、離乳食の冷凍保存期間は「1週間以内」が推奨されています。これは、冷凍焼けのリスクだけでなく、栄養価の劣化、風味の低下を防ぐためです。
我が家のシステムは、「週末に作って、平日5日で使い切る」設計になっています。つまり、在庫回転率は1週間。これなら、冷凍焼けのリスクはほぼゼロです。
「大量に作って1ヶ月分ストックする」という方式は、一見効率的に見えますが、実は衛生面・品質面でリスクが高いです。1週間単位での作り置きが、最もバランスが良いと思います。
パパのこだわり:「安心感」を家族に提供する
最後に、少し感情的な話をさせてください。
私が週末3時間を投資して作り置きをする理由は、単に「効率化」だけではありません。それは、「ママに安心感を提供したい」からです。
平日、仕事から帰ってきた妻は疲れています。でも、冷凍庫を開ければ、整然と並んだ離乳食キューブがある。「今日は何を作ろう」と悩む必要もなく、「食材が足りない」と焦る必要もない。レンジで2分温めるだけで、栄養バランスの取れた離乳食が完成する。
この「安心感」が、妻の精神的余裕につながり、結果として家族全体の幸福度が上がります。
離乳食作りは、単なる「作業」ではありません。それは、家族を支える「プロジェクトマネジメント」であり、パパが家族に提供できる「価値」なんです。
まとめ:週末の「作業」が、家族の「ゆとり」を創出する
ここまで、週末3時間の作り置きシステムを、詳細に解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめます。
離乳食作りは「料理」ではなく「プロジェクトマネジメント」
この記事を通して一貫して伝えたかったのは、「離乳食作りは料理の才能ではなく、システム思考で攻略できる」ということです。
建設現場では、複数の作業を並行処理し、リソースを最適配分し、品質を管理します。離乳食作りも全く同じです。コンロ、レンジ、炊飯器という3つのリソースを並行稼働させ、冷却時間を有効活用し、衛生面のリスクを管理する。
料理が得意である必要はありません。必要なのは、「タスクを分解し、並行処理し、システム化する」思考だけです。
週末3時間の投資が、平日15時間の自由を生む
この作り置きシステムを導入すると、平日の離乳食準備時間は、1回あたり2分で完了します。1日2回×5日=10回なので、合計20分です。
従来の方式(毎回作る)だと、1回あたり30分かかっていたので、10回で300分。つまり、週280分(約4時間40分)の時短になります。
週末3時間を投資することで、平日の4時間40分が自由になる。この時間で、子どもと遊んだり、妻とゆっくり話したり、自分の趣味の時間を持ったりできます。
これは、単なる「時短」ではありません。「家族の幸福度を上げるための、戦略的投資」なんです。
次の週末に向けた「買い物リスト」を作成しよう
この記事を読んで「よし、やってみよう」と思ったら、今すぐ行動してください。
まずは、以下の買い物リストを作成することから始めましょう。
買い物リスト(テンプレート):
- 米2合
- にんじん2本
- かぼちゃ1/4個
- ほうれん草1束
- 玉ねぎ1個
- 大根1/4本
- キャベツ1/4玉
- 鶏ささみ200g
- 白身魚2切れ
- バナナ2本
- りんご1個
このリストをスマホのメモアプリに保存しておけば、毎週の買い物が劇的に楽になります。スーパーで「あれ、何買うんだっけ?」と悩む時間がゼロになります。
そして、次の週末(土曜か日曜)の午前中、3時間を確保してください。この3時間が、あなたの家族の平日を変えます。
道具への投資も忘れずに
最後に、道具の重要性をもう一度強調します。
特に、ハンドブレンダーは必須です。手作業の「裏ごし」では、この3時間システムは成立しません。ブラウン マルチクイック MQ7(※内部リンク)なら、撹拌時間を大幅に短縮でき、結果として作り置き時間を1時間以上削減できます。
また、保存容器も規格を統一してください。リッチェル わけわけフリージングなら、冷凍庫内のスペースを最大限に活用できます。
道具への投資は、時間への投資です。そして、時間への投資は、家族の幸福への投資です。
共働きで忙しい毎日。でも、週末のたった3時間を「システム化」に投資することで、平日の生活は劇的に変わります。
離乳食作りを「作業」から「攻略」へ。そして、生み出された時間を、家族との笑顔に変えていきましょう。
一歩先を行くパパとして、システム思考で家族を支える。それが、私たちの役割だと思います。
次の週末、ぜひこの3時間システムに挑戦してみてください。あなたの家族の平日が、きっと変わります。
その他の時短テクニックについては、都心共働きパパが導入すべき家事自動化・三種の神器(※内部リンク)でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。